気功というと、非常に特殊なものであるようなイメージがありますよね。
しかし、気功は誰にでも気軽に感じられるものであり、使い方によっては自分だけでなく他者に対してもポジティブな影響を与えることができます。
知れば知るほどその奥深さに気が付き、その神秘的なパワーが生活になくてはならないものになっていくはずです。
すぐに気功を始めてみても良いのですが、まずは「気功の歴史」を学ぶと、より習得がスムーズになっていくことでしょう。
この記事では、そんな「気功の歴史」と「現代的に合わせて利用するメリット」について解説していきたいと思います。
気功の歴史
気功というその呼び名からして、かなり古くからあるものであると想像できますよね。
その歴史はあまりにも古いため、正確にはわからないというのが現実です。
諸説ありますが、およそ4,000年前の唐尭時代に大洪水が起こった際、湿気のひどさから体調を崩す人が急増したそうですが、舞いの動作を応用して治したことにより気功法が誕生したと言われています。
1973年に長沙の古墳で漢代の初期のものであると思われる「導引図」が発見されました。
この導引図には、様々なポーズ(全44種類)を取っている人が描かれていて、気功の詳細も載っていたのです。
当初は治療手段として用いられていた気功ですが、その後は道教や儒教、仏教、民間に伝承されていき、様々な形に変化していったのです。
五禽戯(ごきんぎ)や六字訣(ろくじけつ)、八段錦(はちだんきん)、易筋経(えききんきょう)といった現代の四大気功も、この変化の中で作られていったものと考えられています。
気功は約2000年前に書かれた中国最古の医学書「皇帝内径」にも記載されています。
それには、気は病気と深いかかわりがあり、気功を使うことで病気の予防はもちろん、病気の治療や人間の寿命を伸ばす効果があるとも書かれているのです。
気功という名称自体は1949年から用いられた
気功という名称が誕生する前は、道教や儒教、仏教などの修行の中で導引や按摩、座禅などと呼ばれていました。
1949年に気功という名称が用いられるようになってからも、一般的に広まるような大きな影響はなかったのですが、1957年に出版された1冊の本の出現によって認知度が急上昇します。
国営気功療養院院長であった劉貴珍が、「気功療養実践」が出版され、この本が各国に翻訳され出版されたことによって、中国から世界へとその名が広まっていったのです。
日本では、1980年代頃から始まった健康ブームがきっかけとなり注目されるようになっていきました。
中国では気功団体が解体されたことも
世界的に広がりを見せた気功ですが、中国国内では違った動きを見せます。
1980年以降に様々な宗教気功が誕生するのですが、中国の政府は「中国気功科学研究所」を設立して国家の統制を図ったのです。
これによって、共産党に都合の悪い「中功」や「法輪功」を禁止したのです。
その後は集団で気功をすることがなかなか難しくなっていき、国内の気功組織はほぼ解体されることとなりました。
それまで中国国内では当たり前のような光景であった公園での気功が影を潜め、郭林新気功といった公認された気功のみが許されることとなったのです。
世界医学気功学会の設立
1989年、気功の発祥の地である中国に世界で唯一認められた学会が誕生します。
それが、「世界医学気功学会」です。
世界中の気功師はもちろん、気功を研究する医師や科学者なども学会員となっています。
内気功で健康を促進
気功というと、相手を弾き飛ばすといった派手なパフォーマンスを思い浮かべる人もいますが、実際に一般人の暮らしの役に立つのは「内気功」となります。
体の中に気の流れを良くすることによって、健康を促進することができます。
気功の出来る治療家に気功をしてもらう「外気功」もありますが、内気功であれば毎日自分1人で行うことができるので、非常に習慣化しやすいと言えるでしょう。
前述した通り、気功は約4000年も前から行われてきた歴史のある健康法であり、様々な考え方によって少しずつ違った流派が誕生していったものです。
その培ってきた知識を習得することができれば、高い確率で自身の健康促進に役立てることができると言えるでしょう。
体操のように体を動かす「動功」もありますが、座禅やヨガのようにあまり動かずに行う「静功」もあるので、高齢者の人でも安心して習慣化することができるはずです。
最後に
今回は、「気功の歴史」と「現代的に合わせて利用するメリット」について解説してきました。
気功はこのような経緯によって日本に伝わってきました。
気になる人はぜひ内気功を学ぶ、習慣化してみてはいかがでしょうか?
・気功の発祥については諸説あり正確にはわかっていない
・4,000年前の唐尭時代に誕生したという説が有名
・漢代の初期のものであると思われる「導引図」には、気功のポーズが載っていた
・約2000年前に書かれた中国最古の医学書「皇帝内径」にも記載されている
・1949年に気功という名称が用いられるようになった
・日本では、1980年代頃から始まった健康ブームがきっかけとなり注目されるようになった。